今回は現役で保育士の仕事をしている山本さんに、保育士と育児を両立させるためのコツについておうかがいしてみました。
4歳と2歳の子どもがいます。
私は大学卒業後、地元を離れて保育士として働き始めました。
結婚した夫も地元を離れており、両家遠方という環境の中での妊娠でした。
近くに頼れる人がいないことは、分かっていたので退職を考えましたが、「産んでから悩んでも遅くない」との先輩からのアドバイスで産休、育休を取得しました。
早出や遅出もあり、持ち帰りの仕事もある保育士の仕事は、結婚や妊娠すれば退職する人がほとんどで、入れ替わりの多い職場です。
山本さんよろしくお願いします!
保育士と育児を両立するのが大変な3つのワケ
自分の子どもより人の子どものお世話をする葛藤
1人目の育休明け、変わらずフルタイムでの復帰を希望しました。
もちろん、近くに頼れる場所がないことは自覚していましたが、やれるところまで保育士としてがんばろうと思いました。
保育士をしながらの育児との両立は、本当に大変でした。
仕事と育児の両立で1番大変だったのは、「気持ちの葛藤」でした。
大切な我が子が体調不良の時、なんとか保育園に預けて職場へ向かう・・・。
1番見てあげたい時期に、人の子どものお世話をしているという矛盾に、常に心が葛藤していて大変でした。
保育士の「持ち帰り仕事」をする時間がない
他にも保育士の「持ち帰り仕事」の存在に悩まされました。
保育士といえば、行事や活動に使う作り物を自宅に持ち帰り行う「持ち帰り仕事」があります。
独身の頃は夜や土日に画用紙やフェルトを使って何時間も作り物をしていました。
しかし、子どもがいるとそうはいきません。
帰ってからは、ご飯にお風呂に寝かしつけ・・・寝落ちしてしまって仕事の時間なんて取れません。
土日も溜まった家事や子どもとの時間で終わってしまいます。
家での仕事時間はほぼ皆無でした。
時短勤務に戸惑う
2人目の妊娠、出産を機に職場へお願いをして時短勤務で保育士として復帰させてもらいました。
しかし、時短勤務では大切な早出や遅出を担当しないということになります。
他の保育士の先生方にご迷惑をおかけしてしまうのはもちろん心が痛みました。
それ以上に、早出や遅出に入らないと保護者と顔が合わせられないということに大変悩みました。
保育は信頼関係で成り立っています。
保護者に話したいことも話せず、時短勤務という中途半端な働き方により自分自身も混乱しました。
保育士と育児を両立させるための3つの工夫
子どもの体調管理は万全に、子どもが病気の時はしっかり看病
子どもが体調を崩すことは仕方の無いことです。
しかし、できる対策は全て行いました。
少しでも咳や鼻水がでると、早めの病院受診を心がけたり、体を強くする食事やこまめな除菌、消毒・・・。
体調管理はしっかり行った上で、子どもがしんどい時には遠慮することなく休みを希望するようにしました。
やはり、保育士としてみるクラスの子ども達も大切ですが、我が子の母親は私しかいません。
職場の先生方へ謝りながら、自分の子どもを優先しました。
保育士の「持ち帰り仕事」はやらないと決める
保育士である以上、作り物は必要です。
しかし、どうしても時間が取れない為、外注や使い回しをすることで乗り切ることにしました。
今では、ネットで手作りのものが販売されています。
そして、過去に自分が作っておいたものを丁寧に保管しておき、使い回すことも考えました。
保育士の仕事が終わって家に帰れば、家族のことしか考えなくて良いうに、持ち帰り仕事は家で一切しないことを決めました。
勇気を出して諦めたり、何かに頼ることで、両立することへの自信がうまれてきます。
子どもを預ける保護者の気持ちが一番理解できる立場だと自信を持つ
時短勤務を取る人は、誰もが「中途半端な自分」を責めてしまうことがあると思います。
私は保育士の大切な時間である早出や遅出に顔を出せないことが不安で、仕事への熱意が伝わらないような気がしていました。
しかし、保育園に子どもを預けながら働く母親の気持ちを1番理解出来る立場です。
保護者の悩みに寄り添えるよう、日々の連絡帳は会えない分、率先して対応するよう心がけました。
私にしかできないことを考えながら、時短勤務という後ろめたさを乗り越えました。
保育士と育児の両立に悩む女性に向けてのメッセージ
保育士の仕事の大変さによって、育児や家事との両立で悩むポイントは様々だと思います。
しかし、大切なのは「我が子」です。
子どもが熱を出せば遠慮せずに休み、子どもとの時間を取るためなら家事を明日にしても大丈夫です。
ホコリが落ちていようが、お惣菜に頼ろうが、子どもの笑顔が大切です。
完璧にしようとすると、育児と仕事への葛藤が膨らむばかり・・・。
できないことは甘え、諦め、自分にできることを精一杯するだけで充分だと思います。
自分にご褒美をあげながら、がんばって欲しいです。
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